島の祭事や行事にまつわる用具

与那国島の芸能にまつわる用具
島では年中行事や祭事、芸能などに使われる、楽器や用具が数多くあり、その呼び名もおもしろい。三線や小太鼓などは一般的だが、その他にも笛やドラ鉦、大太鼓などさまざまである。芸能でも踊りに欠かせない笠や棒、変わったものではイララ(鎌)薙刀、扇子、カゴ、四竹、ちぶんぐ(桴)等がある。

 笛

笛 八重山では笛はフィ、ペーロー、ピーなどと呼ばれています。六孔の横笛で構造は明笛(中国の笛)と似ています。竹製の管で、第1孔から第3孔までを左手で第4孔から第6孔を右手でおさえて吹く。与那国島にいつ頃入ってきたかは不明ですが、おそらく棒踊りと同じ時代であると考えられています。また竹が自生している島であることから、島でも作ることが可能だったと考えられます。

1から12までの笛があり、曲目や奏者の三線などの全体の音色に合わせて笛を選びます。なんとも言えない切ない響きがし、目立つことはありませんが、演奏に無くてはならない楽器です。

 三線

三線 沖縄ブームの昨今本土でも三線を弾く方や教室が増えており、三線を知らない人は居ないというくらいです。
与那国島では、芸能や祭事のおりには必ず三線の音色が必要です。八重山の古典や民謡とも少し違う、与那国の古典や民謡があります。
島の芸能の花形であり、繊細にして雄雄しくなんとも言えない味わいのある楽器です。

 カニン

カニン・ドラガニン 行事ごと、棒踊り、ドゥンタなどの際にリズムとなる1番正確さを要求される楽器。
昔統制と抑圧の厳しかった与那国島において、棒術を鍛錬することは極めて難しいことであった。
棒踊りとして行事の際に踊ることで、島民は役人の目をごまかし棒術の練習に励んだ。そのため笛や太鼓、鉦の音に合わせて踊る事をした。
ンヌンとカニンの合わさったその音色は大地を震わせる、唸りのようにも聞こえる。

 ンヌン

ウヌン

ンヌンとは太鼓のことで、その音色は天地を轟かせる激しい響きとされている。
このンヌンの形は与那国島独特のもので、与那国太鼓といわれています。
豊年祭などの祭事や芸能のときなどは力強く、長時間に渡ってたたかれるため相当の体力が必要になる男らしい楽器である。