与那国島の豊年祭クバ(ビロウ)の葉餅作り体験交流

与那国島の豊年祭と供物

与那国島の豊年祭

島の御嶽を総括する十山御嶽で、与那国全域の豊作を感謝し、稲作の開始から収穫までの祈願を解く(ウガンフトティ)祭りである。チマティ(前夜)がおこなわれ、ッカブ(司)、各公民館長、公民館役員が、米13俵・塩・クバの葉餅・生魚・カニ・ニンニク・料理5品・酒・神酒・花米などを供えて、その年の豊年の感謝と来年の豊年の祈願をおこなう。
 当日は、早朝から祈願が行われ、与那国島の13の御嶽のすべてに供えるため、13膳のお膳が13回供えられる。
 当日は祈願の後、旗頭を参集させ、各集落による舞踊や棒踊などの奉納、東西に分かれての大綱引きがおこなわれる。大綱引きの東西の組み分けは、東が東・比川、西が西・嶋仲で役場前の大通りをナガミティを境にしておこなう。夜は十山御嶽の庭でドゥンタ(巻き踊り)が賑やかに行われる。
このようにして、豊年の祝いが展開され、豊年祭によって与那国の一年が締めくくられる。

 豊年祭とクバの葉餅

クバの葉もち 与那国島の伝統的な特産品の一つで、クバ(ビロウ)の葉に餅を包んで蒸す。クバの葉はこの大きさに育つまでに10年から15年かかるといわれている。
クバもちの歴史は古く数百年前から与那国島で作られているという。
現在は紅芋・長命草・黒糖などバリエーション豊富だが、もともとは白いもちで、豊年祭などの神事や祝い事の際には白い餅が使用される。
豊年祭では、クバの紐を解いた状態で供える。

 供物の準備

クバの葉餅 クバの葉餅 クバの葉餅には紅芋・黒糖・ウコン・長命草など様々な味のものがあるが、これは最近になって特産品用に作られたもので、神事・祝い事に使われるクバの葉餅は昔から白い餅が使われている。

供物の準備 供物の準備 供物の準備は公民館役員がする決まりになっている。
例年どの公民館でも、殆どの場合、公民館役員は男性のため、供物の準備のため、料理や清掃活動、配膳などをする男衆を眼にする機会が多い。

供物(クムティ) 供物(クムティ) 豊年祭では与那国島の13の御嶽のすべてに供えるため、13膳のお膳が13回供えられる。
米・もち9本・にんにく・生蟹9匹が供えられる。